受賞・表彰実績

2012年大阪のものづくり企業

世界をリードする大阪のものづくり看板企業400社

以下ものづくり企業2012年紙面より抜粋

顧客の「開発力」を支える機能性加工薬剤の提供

業務内容

顧客ニーズに応え商品の付加価値をサポート

繊維・染色業界では、素材の高級化や複雑化に伴った繊維加工技術として、高度で特殊な差別化加工剤や染色助剤等のニーズが絶えずある。コタニ化学工業は、それらのニーズを満たすための繊維染色や整理・仕上げ加工用の各種助剤、仕上げ剤を研究開発し、製造している。風合いのよさや色の鮮やかさといった、衣料品の付加価値部分に同社が深く関わっている。「川上が紡績、川中が染色とすれば我々は支流のようなもの。川上から川中まで、さまざまなところで当社の商品が使われています。商品名は消費者にわからないけれど、顧客の要望に応えた開発商品だけに大企業にはできないニッチでユニークなものもあり、取引先には喜んでもらっています」と小谷社長は話す。

強み

花粉症、毛玉等。悩みをもとにした開発力

同社の強みは開発力。社員の3分の1が研究開発に携わり、全国に点在する産地からのニーズに応じて常に複数の商品開発を進めている。例えば、ウール用の開発品の中にポリエステルに活かせるものもあり、応用のヒントにはこと欠かない。代表的な開発品は、花粉付着防止剤「クインセッターPOL」。この加工剤を使用した繊維は、花粉が付着しにくく、たとえ付着しても軽くはたくと簡単に花粉が落ちる。花粉の他に砂や土汚れ、ファンデーション等の付着防止にも効果を発揮するという。また、同社のピリング（毛玉発生）防止剤「クインセッターP－100D」は、繊維を樹脂で固める従来の方法とは一線を画し、繊維の毛羽の根元だけを樹脂で固める画期的な方法で風合いを変えずに毛玉を防ぐ。この商品は、平成19年の郵政民営化で全国の郵便局の制服が一新される際、ピリング防止剤として採用されている。

今後の展望

BtoCへの挑戦とさらなる販路拡大へ

前述の花粉付着防止剤はスプレーボトルで商品化し、近々、大手カタログ通販から販売される予定だ。同社にとって一般消費者向けの商品化は初の試みだが、これが成功すれば別商品についても同様の道筋が開ける。また、数年前から出展している企業展で、同社の商品にさまざまな業種から関心が得られたことをきっかけに、横展開も着々と進行。「業種を限らず困っていることやこんな加工剤がほしい等の要望を寄せていただき、それを縁に当社と知り合って損はなかったと思われるような企業になりたい。常に『ノーと言わないサービス』を心掛けます」。当面は、小谷社長自らが陣頭指揮を執り販路開拓に望むつもりだ。