電鉄関連用語集

電鉄関連用語集では電車に関する基本的な用語から専門用語まで幅広く意味を解説しています。鉄道が大好きな方や調べものをしている方は是非、ご活用ください。

「あ行」から始まる電鉄関連用語

ATS
ATS(Automatic Train Stop) 自動列車保安装置のことで、列車が停止信号を超えて進行しようとした場合に警報を出して列車のブレーキを自動的に作動させて衝突や、脱線事故を防ぐ装置です。
ATS-PN
南海電鉄で導入が進められているATSは、ATS-PN式です。従来の地上子により車両側で信号の現示(青/黄/赤)に対する信号を受信・記憶し、その信号機に合わせた一定の速度で連続的に照査する機能とATS-PN式では、分岐器・曲線区間・終端での速度制限を実施する為、新たに変周周波数の数を増やした地上子とトランスポンダ地上子を設置して、それらによって発信される分岐器・曲線区間・終端までの距離情報と分岐器・曲線区間での車両側で受信・記憶することにより分岐器・曲線区間・終端までの速度照査パターンと分岐器・曲線区間での速度制限を発生させ速度照査を実施する。また、車両側の車上子は、従来の変周式車上子とは別に新たにトランスポンタ式車上子を搭載している。

「か行」から始まる電鉄関連用語

回生ブレーキ
電力の効率的利用を目的に開発されたブレーキ方式で、電車がブレーキをかけたとき電動機(モーター)を発電機として作用させ発生した電気を架線に戻し他の電車が使えるようにするもので、電力を再生して再利用するための装置。
軌間
軌間とは、左右のレールの頭部側面間の最短距離を指しています。日本では、レールの上面から14mm以内の頭部の最短距離を軌間としています。世界で初めて実用化された英国の鉄道の軌間が1,435mであったので、これが国際的に「標準軌」と呼ばれています。これより広いものを「広軌」狭いものを「狭軌」といいます。関西の鉄道会社の軌間は、阪急・阪神・京阪・近鉄(大阪/奈良/京都/橿原/名古屋/山田/鳥羽/賢島線)・山陽・新幹線・大阪/神戸/京都の地下鉄が標準軌の1,435mmJR在来線・南海・近鉄(南大阪・吉野線)・神戸電鉄・水間・和歌山電気・が狭軌の1,067mmです。曲線部分では、直線部分より少しだけ軌間を広げてあります。
小型密着自動連結器
元来は気動車(ディゼル)の基準的な連結器ですが1953年に京阪1700系に採用されて以来私鉄各社で使用されています。本来であれば後で説明する密着連結器の方が.適するのですが、従来車両が並形自動連結器が多く在籍していたのでこれらの車両との総合連結を配慮された結果だそうです。機能構造は密着自動連結器と同一ですが、電車や気動車のような動力が分散される車両は連結器に大きな牽引力が掛からないので、連結器が軽量化小型化になりました。南海電鉄の車両では10000系サザン・2200系・7100系の先頭車の連結器がこれにあたります。

「さ行」から始まる電鉄関連用語

下枠交差形

菱形の下枠を交差させることで、作用高さを損なうことなく(集電舟の稼働鵜範囲を狭めることなく)上枠を小型化でき軽量化で架線追随先の向上を図った集電装置です。最初に搭載された車両は、S32年に新幹線1000形で、試作形PS20形が搭載され試験を重ねS39年0系にPS200形が量産されました。南海電車は、8000系・8300系・12000系・1051系を除く車両に下枠交差形東洋電機製がつかわれています。1000系東洋電機製PT4826-A-M 200系・2200系・300系・6000系・6200系・6300系・7100系・9000系・10000系・11000系30000系・31000系は、概PT-4803A-Mが搭載されています。

下枠交差型パンタ

車側灯

電車の側面に付いているランプのことです。客用扉が開くと赤く点灯し、閉まると消えるしくみです。各車両に付いており車掌は発車の際は、すべてのランプが消えているかを確認の上で運転手に発車の合図(ブザー)で知らせます。

車側灯

車両形式

全ての鉄道車両にはそれぞれ形式を持っています。これは、車両の外観だけでなく動力車制御車・付随車などの違いにより区分されています。車体に付いている番号などでその車両の形式が分かるようになっています。形式には、ク・モ・サ・などの種類があります。

  • ク・・・・・・運転台の有る制御車両(Tc)
  • モ・デ・・・・電動機(モーター)が有る車両(M)
  • サ・・・・・・主要機器が無い付随車(T)

次にイ・ロ・ハ・ネ・シ・ニ・などの形式は以下などがあります。

  • イ・・・・・・旧国鉄時代の1等車 (現在は廃止)
  • ロ・・・・・・旧国鉄時代の2等車 (グリーン車・スーパーシート車)
  • ハ・・・・・・旧国鉄時代の2等車 (普通車)
  • ネ・・・・・・寝台車
  • シ・・・・・・食堂車
  • ニ・・・・・・荷物車
    

例えば、

   
  • クハ=運転台の有る普通車
  • クロ=運転台の有るグリーン車
  • サハ=付随車の普通車
  • サロ=付随車のグリーン車
  • モハ=モーターの有る普通車
  • モロ=モーターの有るグリーン車
  • クモハ=運転台が有りモーターが有る普通車

50000系ラピートは、クハ50501+モハ50001+モハ50101+サハ50601+モハ50201+クハ50701となります。厳密には、クハ50501とモハ50001はスーパーシート車ですのでクロ・モロになるとおもいます。

車輪
電車の車輪は車両の重量を受けながら車軸を中心に回転しレール上を走ります。一般的に車輪は1万km走ると平均0.1㎜程度摩耗するそうです。
集電装置
集電装置とは、電車やトロリーバスが電気を得るための装置で、代表的なのがパンタグラフです。
シングルアーム形

メインビームは、横から見ると「く」の字形をしておりほかに集電舟の平衡とパンタグラフ全体の変形を防ぐリンクを持つ。摺動抵抗となる関節を減らし枠の軽量化と高剛性化の両立をした。高速運転時の空気抵抗を軽減させ着雪面積が小さい点が利点。近年新造される車両には、このシングルアーム形が多く採用されている。南海電車では、1051系にPT-7144-4 8000系・8300系・12000系は、PT-7144-B が搭載されています。

シングルアーム形

制御装置
制御装置とは、電車などの鉄道車両の速度を制御する装置です。制御方法には、抵抗制御・チョッパ制御・サイリスタ制御・VVVFインバータ制御などがあります。
抑制ブレーキ
抑制ブレーキとは、下り勾配のきつい山岳路線を走る車両に設置されるブレーキです。普通のブレーキは電車が停止するまでブレーキを利かせますが、抑制ブレーキは運転士が抑制ブレーキをかけると予め設定された速度まで落とし、その後その速度をキープして設定速度で下り勾配を安全に走行するブレーキです。

「た行」から始まる電鉄関連用語

チョッパ制御・サイリスタ制御
抵抗制御方法は速度制御のときに抵抗器を使って電圧を加減するため電気エネルギーの一部を抵抗器で熱エネルギーとして捨ててしまうのでエネルギー効率の悪い方式でした。そこで開発されたのがチョパ制御方式です。チョパ制御は電気をチョプ(切り刻む)して電圧をかける時間とかけない時間の比率によって制御する方式です。この制御に使われているのが「サイリスタ」という特殊な半導体で、整流作用あると同時に非常に短い時間で流したり、切ったりことが出来ます。これにより必要な電力を無駄無くつかうほか、ブレーキをかけたとき回生ブレーキと連動して運動エネルギーを電気に変え架線に返すことが出来るようになり省エネ効果が高くなりました。南海電鉄の一般車両では9000系が回生ブレーキ付他励界磁チョッパ制御(抑速ブレーキ付)です 。
抵抗制御
旧来の制御方法のことで、南海電鉄の一般車両では、6000系・6200系・6300系3000系・2200系7100系などです。特急車は、10000系サザン・30000系・31000系こうや・りんかん・11000系りんかんなどです。それぞれの車両には発電ブレーキが併用されています。
トロリーポール
電車やトロリーバスの屋根上に取り付けられ架線(トロリー)に接触させて集電する装置で、ポールを斜めに上げてポールの先端部にトロリーホイール(滑車)を取り付け架線にはめ込み接触させて集電する。創世記の電車の集電装置

「な行」から始まる電鉄関連用語

並形自動連結器
機関車・客車・貨車などに装備されています。連結器は水平方向に首ふりが出来垂直方向のずれも連結面によってある程度まで許容出来る。緩衝装置は連結器胴と車体取付部の間にあります。連結面に22mmの狭間(遊び)があるため、発車磁や減速時に衝撃が出やすい欠点があるます。

「は行」から始まる電鉄関連用語

パンタグラフ
電車の屋根上に設置して、コイルばねの力や空気圧などによって架線に集電舟を押し付け、関節構造または伸縮構造を設けることで、架線高さの変化に追随させる形態の集電装置です。パンタグラフには、菱形・下枠交差形・シングルアーム形などの種類があります。

下枠交差型パンタ下枠交差型パンタ

シングルアームパンタシングルアームパンタ